知的障害と発達障害のあるお子さんの家庭教師をしています。偶然ご近所さんだったということと、ゆっくりでも学習指導が可能なお子さまでしたので、特別にやらせていただくことにしました。将来やりたいことの一つに、ディスレクシア(知的能力には問題ないが読み書きが難しい障害)の子どものプログラムができるようにしたいという思いがあるので、お話があった時にはこれは私にとっても学ぶことのある良い機会だと思いました。そして、障害のあるなしに関わらず、学ぶことの楽しさを感じてほしいという思いがあります。

「勉強しなさい」と言わなくてもすむにはどうすれば良いのか?

いちばんは、子どもが楽しく自ら知りたい学びたいと思うこと。人は本能的に知的欲求があるものです。それなのに「~しなさい」と言われたら…一度や二度ならともかく、言われ続けたら…大人でも逃げ出したくなるのではないでしょうか。「しなさい」と言わなくても済むための3つの心がけをお伝えします。

  • 学ぶべきこととは、こどもにとっては世界のすべて

 日常の全てのことが、学校の勉強につながることを意識してみてください。そもそも、「学問」とは、元はすべてが必要に迫られて考え出されたことなのです。その中でも「数学」は特に日常に欠かせないものとして発達してきたものでしょう。商売するためにも、建物を建てるためにも、距離をはかるためにも。数式は便利に簡単に計算するために発明されたものだけど、元々は単純に数えることから始まったことでしょう。そこからより複雑な思考をまとめるために数式ができていったとすれば、いきなり数式を覚えろと言われても難しい!と感じてしまいます。もし、一緒に買い物に行くことがあれば、「割引」「%」はとくべつな記号ではなく、日常の一部ですよね?それがどういう意味なのかを子どもにお話することができると思います。勉強は生活の中のすべてから学ぶことができるのです。

  • 質問が思考力を育てる

お母さんは家の中では忙しいでしょう。お子さんが小さければよりいっそう時間に追われる生活をしていることと思います。わかります。。そして、知的好奇心のある子どもほど、「なぜ?」を投げかけてきます。そんな時、つい「それくらい自分で図鑑でも見て調べてみなさい」と言ってしまいがちです。けれど、ちょっと待ってください。自分でどんどん調べたり勉強する子に育てるためには、好奇心旺盛で学びたい盛りの時がチャンスなのです。そこの機会を逃さないように覚えていてほしいです。めんどくさいかもしれない。大変かもしれないけど、寄り添ってあげてください。もちろん、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃん家族みんなを巻き込んで。そして、子どもの投げかける言葉に耳を傾けて聞いてあげてください。その次に、質問をする。子どもの話が質問なら、一緒に考える、一緒に調べる。そんな時間は宝石のような貴重な瞬間なのです。子どもにとってはもちろん、親にとっても後々そう思う瞬間がやってきます。話を聞いて質問をする。質問されると、一生懸命考えます。すぐに答えがでないこともあるでしょう。それは全く構わないのです。思考の訓練ということが大切な時間です。

  • 1日の時間を決める

これは今までにもお話していることですが、時間を決める。ルーティン化する。というのはいろいろな効果があるのですが、その中の一つとして最近気が付いたのは、「安心」するということです。決まったパターンというのは気持ちが安心するのです。いつもいつも新しいことをするのは楽しいことでもありますが、緊張も伴います。けれど、決まったことというのは「安心」できるのです。「朝起きる時間」「食事の時間」「夜ご飯」「お風呂」「寝る前の時間」「寝る時間」これは決めておきましょう。そして「寝る前の時間」に行うことを習慣にすることをお勧めします。幼い頃なら絵本の読み聞かせの時間。一人で眠れるようになったら、学習の時間にすることができます。小さいころからの変わらない時間の習慣なら内容を変えて継続することが易しいでしょう。

それでも「勉強しなさい!」と言ってしまう。という方は、ぜひコメントやお問い合わせを気軽にしてみてください。できるだけ一緒に考えてみたいと思います。